8月8日 佐渡・佐和田 Sado/Sawata

佐渡
直江津駅行きの青い普通電車佐渡に行くと言うと、何しに行くの?と聞かれるが、文人・政治家が配流された興味深い島というのは、エンリック。 私にとっては島国日本ではあるが、自然や文化の保存された離れ小島といったイメージだ。

佐渡へは普通電車で直江津駅迄行き、徒歩約30分で町並みを見ながらフェリー乗り場へ。切符売り場は列が出来ていて、中々進まないのだが、係員の案内で自販機へ。自家用車で渡る人たちは手続きがややこしいらしく、乗客だけの場合は自販機で並ばずに購入できた。フランスではカルト・ブルーがあるので切符はいつも自販機で購入するが、日本ではクレジットカードを所持していない為に、思わず窓口に並んでしまう。いや、煙草もビールも免許書やタスポがないと購入できないと言うことから、自販機を自然に避けてしまっているのかも…。


直江津港を出発する佐渡汽船のフェリー船だ、船だ、といそいそ改札を通り、甲板の席を陣取った。
佐渡島には3才の頃に行ったことがある。フェリーでカップヌードルの自販機があったとか、しょうもないことしか覚えていないが、そんな自販機が未だ健在であったことに驚き(全く同じではないと思うが、カップヌードルの自販機)。2等客席はただっ広いグリーンの絨毯張りで真ん中に長い通路が通っていたという記憶だが、明るい色の絨毯で収納棚でスペースが区切られていた。乗客は夏休みと言うこともあり、家族連れで賑わっている。

ゴングを鳴らす乗務員が甲板を一周し、出発の合図。船が動き出すと、室内に荷物を置いて陣取った人たちも出て来る。尖閣湾で『かもめのえさ』と題して、かっぱえびせんを販売していたのを見て、後日発覚したのだが、名物はカモメにかっぱえびせんらしい。かっぱえびせんとそれを好む人に対して失礼なような気もする。船が港を出ると、乗客がばらまくえびせんにカモメがすごい勢いで集まって来る。

フェリーから見えた佐渡


太宰治の『佐渡』で、Sの字型の島のため、見えた島が佐渡かどうか定かでなかったとあるが、おそらく彼は両津港入り。私達は南端の小木港入りなので、そういった光景は見られず、佐渡がぐんぐんと近づいて来た。新潟県には佐渡の北東に粟島という周囲23kmのもっと小さな島がある。父がキャンプをするなら佐渡より粟島、なんて言うので知ったのだが、粟島も機会があれば訪れたい島だ。

2時間半のフェリーの旅が終わると次はバスで佐和田に向かう。事前に調べた時刻では余り待ち時間がなかったので、乗り場を聞いて、日影で待機。
小さいリュックに旅行鞄を2つ下げたおじさんが、エンリックを見て、寄って来た。『ニュージーランドから来たのか?』とジャパニーズ英語で。アメリカやロシアとかじゃなく、NZというのがマイナーな感じ。どうやらNZに行ったことがあるらしく、ここに来る前は長岡の花火を見て来たとか、旅人のよう。エンリックが日本語で『そーですね。』なんてかわしているにも関わらず、英語を話し続ける。佐渡は観光客への案内が行き届いていない、分かりにくいので佐和田に着いたら観光案内所にクレームを付けるのだとか。ちなみに、私は佐和田で観光案内所と言うものを見つけられなかった。佐和田自身はスーパーなどの商店が充実していて、バスステーションがあるので、拠点とするには良い場所だが、観光地ではないのだ。

佐渡交通の路線バス内バスは距離制運賃で200〜800円。佐渡を一周するバスはなく、複数のラインがメインとなる集落を結ぶ。小木港からは佐和田に向かう小木線。時刻に依っては延長して他の集落迄行く場合もあるが、佐和田ですでに800円だったので、延長してもっと遠くに行く時刻のバスでも800円でお得になると言う訳らしい。フランスは町中が一律料金のバスが主な為、懐かしい料金制のバス。でも、いくらになるのか直前迄分からないので、ドキドキだ。

行程は島の内陸に山が連なるので、山越えと言う感じでアップダウンの多いルート。ゴールドパークも抜け、反対側の海へ出て、お寺の見所が多い真野新町。ここには午後に散策に戻ってきたかったので、エンリックに合図し、そこからの距離を目で測るが、佐和田迄は結構あった。バスステーションがあるからには中核となる賑わう町かと思いきや、13時半に降り立った町は人気がなかった。佐渡地図を買っておいて良かった。バス停で一服しながら、地図を広げ、キャンプ場に向かう。海岸沿いに出て、すぐ側だ。


佐渡の窪田キャンプ場窪田キャンプ場は海を道路で挟んで小さな松林にある。立派なファミリーテントが2つ、2名用の白い同じテントが3つ並んでいた。道路沿いの建物の扉を開けるとお手洗い、シャワー。更衣室もあったが、物置になっていた。洋式トイレはなく、一昔前のキャンプ場と言う感じ。隣接して外側に炊事場があり、反対側には管理人室。不在となっており、キャンプ場にいた白テントグループに聞いてみたところ、電話番号が張ってあるから電話してみたら、と。世の中携帯電話を持っていない人がいるということは、考えられないらしい。ま、フランスでも今日は同様に携帯電話が普及している訳だが。携帯電話は持っていないので、とりあえず先にテントを張って、荷を降ろすことに。

張り終わって出かける際に、管理人が戻っていたので、勝手に張らせてもらいました、と挨拶に行った。管理人のおじさんはどっちかと言うと天然でマイペースなおじさん。テント張り代1000円、大人一人200円で2泊分で2800円を払い、佐和田マップをもらった。マップに印を付けながらスーパーや銭湯の場所を教えてくれたので、食べログでみた割烹松山の場所も聞いてみたら、ワンコインのランチねと喜んで教えてくれた。すでに14時を過ぎていたので、空いてるかな〜、急いだ方が良いね、とのこと。

案の定、松山に行ってみたが、既に閉まっていたので、コンビニ弁当に。佐渡のコンビニはセーブオンだ。オリジナルで佐渡市トキ環境整備基金に売り上げの10%が寄付される佐渡トキTシャツ(1000円)というのが販売されていた。コンビニのある国道350番線沿いには郵便局、そしてコメリなどの大型店が並び、小さな町にして、中心となる商店街で栄えず、マイカー生活の片田舎の郊外型。

弁当はいいが、どこで食べるかが問題。炎天下の午後に日陰を求めて彷徨い、町中の立派な公衆トイレが隣接された閉ざされた神社の階段でご飯。弁当でピクニックは良いのだが、日本はゴミ箱を探すのが大変。分別もあるし、コンビニ袋も有料となると、近間で捨てたいのだが、ゴミ箱のない公衆トイレ。掃除をしていた女性に、ゴミ箱ありますか?と声をかけたら、ないとのこと。仕方がないので、缶や容器を水で濯いでると、同じ女性が、また明日来るから、このバケツに入れておいて、とのこと。ありがたくそうさせてもらった。

真野新町への散策は辞めて、のんびりしようよーというエンリックの意見で、断念。勿論、時間も遅くなっていたのもあり、海水浴をすることにした。佐和田海水浴場はキャンプ場から少し離れた南にあるが、キャンプ場の前で泳ぐ。砂浜の海岸は遠浅でどこ迄行っても深くならない…。子供と遊ぶには絶好かもしれないが、泳ぐ前に歩き疲れたり…。

どこまで行っても浅瀬の窪田の海岸
どこまで行っても浅瀬の窪田の海岸


その後はキャンプ場で300円で温水もでるようだけど水シャワーを利用。宮島のキャンプ場にはシャワーがなかったので、あるだけでも嬉しいのだが、掃除が十分にされていないようで排水溝がつまっている。ちなみに佐和田には銭湯もあるが、今日は定休日。

佐和田の海岸で夕食さっぱりした後は、クーラーバッグを持ってスーパーに買い出しに。氷が無料でもらえると分かったので、喜んでビールを買い込む。あと、キウイやパンなどを買って、キャンプ場に戻るが、常設のテーブルはなく、炊事場も賑やいでいたので、海岸の公衆トイレ脇のテーブルでディナーを。

日が暮れると車でやって来て花火をするグループも。ゴミは持ち帰るようにとあるが、ゴミ箱のない公衆トイレの角にはそんな花火の燃えカスなども見られ、公の場にはゴミ箱を設置して欲しいと切実に思う。私達はビールの空き缶を帰りがけの自販機脇にあるゴミ箱に、その他のゴミをキャンプ場に持ち帰った。

佐渡汽船

新潟〜両津、直江津〜小木航路、寺泊〜赤泊の3航路がある。
http://www.sadokisen.co.jp/

新潟交通佐渡

路線バスの運賃表、時刻表がある。運賃は200〜800円だが1日フリー券1500円や2日フリー券2500円(週末は2000円)もある。
http://www1.sphere.ne.jp/sado-bus/

窪田キャンプ場

佐渡市窪田1103-11
利用料 : 大人200円、小学生以下100円
テント持込料 : 1000円/泊
設備 : 駐車場、トイレ、炊事場・水シャワー、温水シャワー(300円)、更衣室
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